はじめに
例年、春季年会では日本化学会の委員会主催の行事が執り行なわれております。第90春季年会では以下の企画が予定されています。
※掲載情報は化学と工業1月号会告掲載内容を元に作成しております。最終的なプログラムは、1)プログラム(年会参加者へ配布)、2)化学と工業3月号、3)主催委員会ウェブサイトのいずれかをご覧ください。
主催:ナカニシシンポジウム組織委員会
ナカニシシンポジウムは、日本化学会と米国化学会との取決めにより偶数年度は日本で、奇数年度は米国にて選考されるナカニシ・プライズの受賞講演を含み、該当国で交互に開催されている。本プライズは生物活性天然物の単離、構造解析、生物機能、生合成および全合成分野での顕著な研究業績を対象に選考され、本年度は本化学会に設置された選考委員会によって、山村庄亮教授(慶応大学名誉教授)に授与されることに決定した。よって本企画は選考理由である「植物の就眠運動に関する化学的解明などの天然物化学における貢献」に基づき、受賞者による講演に加えてこれに関連する最新の研究成果を周辺分野の研究者に紹介していただく。
プログラム:3月26日(金) 13:00-17:30
13:00-13:30 |
ナカニシ・プライズ授賞式
(ナカニシ・プライズ2010受賞者) 山村庄亮 |
13:30-14:10 |
一筆書きの天然物(東工大院理)鈴木啓介 |
14:10-14:50 |
植物と微生物の新規シグナル化合物(名大院農)坂神洋次 |
15:00-15:40 |
動物の行動を制御する香りやフェロモン物質の同定およびその受容機構
(東大院新領域)東原和成 |
15:40-16:20 |
植物の生活環に関わる生理活性物質の構造と機能(筑波大生命環境)繁森英幸 |
16:30-17:30 |
受賞講演 化学の目で見る植物の運動(慶応大名誉)山村庄亮 |
参加費 |
無料 |
申込方法 |
事前申込み不要。当日会場にて受付。
|
問合せ先 |
(社)日本化学会 企画部 井樋田
Tel 03-3292-6163 Fax 03-3292-6318
E-mail:[email protected] |
主催:日本化学会倫理委員会
科学者・技術者コミュニティである理工系の学協会は、人類の安全・健康・福祉の増進や環境保全のために重要な役割を果たすことが期待され、それぞれの領域に応じた「行動規範」「科学者・技術者倫理」を確立することが、その学協会が社会から受容されるための必要条件となっている。本シンポジウムでは、産学界において活躍するすべての科学者・技術者が本来身につけていなければならない倫理とは何かを考え、それを定着させるためのスキームについて、様々な観点から議論を展開し、学会としての今後の取り組み方を考えてみたい。
プログラム:3月26日(金) 午後
1. 化学者と化学技術者の倫理(本会倫理委員会委員/元住友化学(株))志賀昭信
2. リスクの評価と工学倫理(近化化学技術アドバイザー/阪大工(非常勤)/元クラレほか)宮本 靖
3. 技術者と法規(近化化学技術アドバイザー,広島大(非常勤),元住友化学ほか)菅原啓高
4. 知的財産権と工学倫理(近化化学技術アドバイザー,神戸大工・青学大理工
(非常勤),元ダイセル化学工業ほか)稲葉伸一
5. 自由討論―すべての科学者・技術者が備えるべき「倫理」を考える |
参加費 |
無料、テキストのみ実費にて販売予定。 |
申込方法 |
事前申込み不要。当日会場にて受付。 |
問合せ先 |
(社)日本化学会 企画部 井樋田
Tel 03-3292-6163 Fax 03-3292-6318
E-mail: [email protected] |
光・電気物性や磁性に基づくすべての機能は、電子(スピン)の配列や移動に起因していると言っても過言ではない。言い換えれば、如何に局在電子の配列や電子移動を自在に制御するかが、多様な機能を発現させる鍵となる。柔軟な電子構造をもつ金属錯体は、構造と電子状態の強い相関を示すことから、熱や光などの外場や化学刺激、分子構造変化を駆使して電子を動的に操るのに最も適した物質系の一つである。本シンポジウムでは、金属錯体における電子の価数配列と電子移動の制御による動的機能の発現に焦点を絞り、この分野の最前線で活躍している若手研究者の講演をとおして、今後の機能分子科学の将来展望を議論する。
プログラム:3月26日(金) 17:20-19:00
17:20-17:45 |
配位組み替え設計による分子構造変換と単電子駆動(東大院理研)久米晶子 |
17:45-18:10 |
酸化状態の双安定性を利用した固体中での機能発現(東北大院理研)高石慎也 |
18:10-18:35 |
金属多核錯体における分子内電子移動の外場制御(筑波大院数理物質研)二瓶雅之 |
18:35-19:00 |
レドックス活性錯体液晶の動的機能(北大院理研)張 浩徹 |
環境・エネルギー・生活・持続可能社会の課題に向け様々なアプローチがなされています。当シンポジウムでは「分子科学」に「分子技術」を対比させます。「分子科学」を物理・化学・生物の分野および先端精密生産技術と融合させ、さらに社会との接点へ展開するとき、そこには新しい語「分子技術」で表現される広大な未知領域が描かれます。Molecular
Technology。これを、国家の基盤となる一大技術集積とし、将来の環境・エネルギー・生活の課題に具えることが大きな目標となります。諸外国ではまだ積極的に意識されていないこの目標を、世界に先駆け抽出することがこのシンポジウムの目的です。
プログラム:3月27日(土) 13:30-17:20
【1.分子技術コンセプト】(13:30-14:15)
1-1 技術俯瞰における分子技術の多面性(JST,NEC)曽根純一
1-2 国家の基幹技術としての分子技術(東大理)中村栄一
1-3 分子科学から分子技術へ(東大工)相田卓三
【2.形状・構造制御にもとづく分子技術】(14:20-14:50)
2-1 バイオ系・医療系での分子技術(東大薬)長野哲雄
2-2 無機・有機複合系での分子技術(京大工)北川 進
【3.電子状態の精密制御を可能にする分子技術】(15:00-15:45)
3-1 さらなる期待を集める分子エレクトロニクス(住友化学筑波研)大西敏博
3-2 自発光柔軟表示システムの市場と開発競争―分子フォトニクスへの期待(NHK 技研)時任静士
3-3 無機・有機複合系の電子状態制御(東京理科大理)福山秀敏
【4.変換分子技術・プロセス分子技術】(16:10-16:25)
4-1 グリーンテクノロジーと分子技術(東工大資源研)辰巳 敬
【5.集合体・複合体の制御にかかわる分子技術】(16:25-16:55)
5-1 汎用新バイオ技術の開発と創薬への期待(東大先端研)菅 裕明
5-2 さらなる期待を集める膜技術(東レ地球環境研)辺見昌弘
【6.分子設計・機能設計に基づく分子創成】(17:00-17:15)
6-1 超高速計算機がもたらす分子技術の革新(理研次世代分子理論ユニット)平尾公彦
【7.展望】(17:15-17:20)
7-1 分子性,合成分子技術,分子技術イニシャティブ(奈良先端大)村井眞二・(東大理)中村栄一 |
参加費・資料代 |
無料 |
申込方法 |
当日会場受付へ(事前申し込み不要)。 |
問合先 |
科学技術振興機構研究開発戦略センター 永野・中山
電話 03-5214-7483 |
主催:日本化学会 化学教育協議会
いま、理科の学習内容・時間が増えた新学習指導要領が小・中学校で先行実施されています。このような状況をふまえて、新学習指導要領で求められる学力とその主眼である科学リテラシーについて議論を深めたい。また同時に、新学習指導要領が視野に入れている理科(化学)教員の新しいすがたについても探っていきたい。
プログラム:3月27日(土) 13:00-16:30
1.開会の挨拶 化学教育協議会議長
<13:10〜14:10>
2.高等学校学習指導要領の改訂と今後の理科(化学)教育(文部科学省初等中等局)林 誠一
3.PISAから見える日本の科学リテラシー(国立教育政策研究所)小倉 康
<14:10〜15:10>
4.新指導要領に期待すること 未定
5. 新学習指導要領と新しい理科(化学)教育のすがた(京都教育大学)村上忠幸
6.科学的リテラシーの育成と新指導要領(奈良女子大学付属中等学校)越野省三
7.新指導要領の先行実施から見える科学リテラシー(宇治市立北宇治中学校)西川光二
<15:10〜16:30>
8.パネルディスカッション 司会 村上忠幸
9.閉会の挨拶(開成学園中学校高等学校)齊藤幸一 |
近年、化学関連の研究は専門分野の深化・発展と学際領域への進展が特に著しく、また独創的・先端的な研究に対する社会や産業界からの期待は大きい。そこで本会の学術研究活性化委員会〔委員長:井上晴夫(首都大学東京・教授)〕では、我が国の化学関連の学術研究のより一層の発展を図るには、世界を含む我が国化学関連各分野の最先端研究の現状と課題および将来動向を的確に把握しおくことが極めて重要であるとの認識により、平成11年より4年間にわたり、先端ウオッチング調査『21世紀の科学の潮流を探る』を23分野で行い、その成果を分野ごとの報告書にまとめるとともに、春季年会において成果発表会(イブニングセッション)を行い、他分野研究者を含め活発な討論を行った。
このたび委員会では、イノベーション創出のために特に重要と考えられる化学分野の融合領域の創成を目的として第二次先端ウオッチング調査『融合領域の創成』を行うことにし、現在作業を進めている。視点は「物質変換」「エネルギー変換」「環境調和」「先端計測」であり、すでに6分野の調査が終了し、第87春季年会でイブニングセッションを行った。第90春季年会においては、下記2分野のイブニングセッションを行う予定である。このような研究領域の成果は、広範な基盤科学技術を生み出すことになり、21世紀の科学の発展のみならず、社会的貢献につながるものと考えられ、その波及効果は極めて大きい。
ゲノムケミストリーの医療への展開
ゲノム関連研究の迅速な遂行とそれをベースとしたゲノム産業の創出には、“ものづくり”が可能な化学の立場からの研究が重要であることは言を俟たない。その中心を占めるのがゲノムケミストリーであり、この分野の研究に今全力を注がないと、21世紀のゲノム関連研究・産業創出において、国際的に太刀打ちできなくなる事は必至である。換言すると、今回「ゲノムケミストリー」研究分野において優れた研究を行っており、国際的にも高い評価を受けているメンバーが一堂に会し、情報・意見交換することにより、遺伝子の機能探索や情報発現機構の解明などの基礎研究のみならず、これらの基礎研究に基づくゲノム創薬、遺伝子診断、バイオチップ、バイオセンサー、バイオナノ材料などのバイオ・ゲノム関連事項に有効利用できる機能性人工核酸の創製・開発などの応用研究の急速な発展をもたらすことが期待できる。また、波及効果として、得られた有用な研究成果をわが国の企業に発信することによって、企業に刺激を与え、上記の研究開発・企業化を目指した欧米型ベンチャー企業を立ち上げさせることも可能である。その結果、わが国のゲノム研究のレベルを、最先端レベルにまで持ち上げる事ができると期待される。
プログラム:3月27日(土) 午後
- はじめに:化学修飾核酸の創製と創薬への展開(岐阜大院創薬)北出 幸夫
- がん抑制マイクロRNA-143,−145の発癌へのカスケード(岐阜大院創薬)赤尾 幸博
- リン原子修飾による核酸の構造・機能制御(東大院新領域)和田 猛
- 芳香族化合物で修飾した安定で有用なRNA分子の開発(岐阜大工)上野 義仁
- 機能性人工核酸の開発−新たな核酸医薬・診断薬創出に向けて(阪大院薬)小比賀 聡
- 刺激応答性人工核酸を活用したゲノムケミストリーの新展開(東北大院工)和田 健彦
- RNAの部位特異的化学修飾のための人工核酸ツールの開発と応用(九大院薬)佐々木 茂貴
- 短鎖RNAの検出を指向した新規人工核酸の開発(東工大院生命理工)清尾 康志
- 遺伝子解析に活用する試薬の開発(産技研ゲノムファクトリー)小松 康雄
- カートリッジ型人工ヌクレオチドによる機能性DNAの設計と応用(名大院工)浅沼 浩之
- 新規蛍光制御法による効率的核酸イメージング(理研)岡本 晃充
フォトクロミズムとメカニカル機能
フォトクロミック分子の歴史は古く,19世紀半ばにはすでにその存在は知られていた。現在までに数多くのフォトクロミック化合物が報告されているが,フォトクロミズム研究における日本の役割は大きく,代表的なフォトクロミック分子は日本人により創製されたといっても過言ではない。フォトクロミック分子はこれまで光メモリー,光スイッチ,イオン捕集のような光制御における光応答分子としてもっぱら使われてきたが,近年では物質レベルのマクロな動きを誘起するナノレベルの光トリガーとしても注目されている。本セッションでは急速に発展しつつあるこれらの新しい分野に視点をあて,フォトクロミック分子のもつ新しい可能性をいろいろな角度から追求する。
プログラム:3月27日(土) 午後
- ジアリールエテン単結晶のフォトメカニカル機能(立教大理)入江 正浩
- 超高速時間分解計測によるフォトクロミック反応ダイナミクスとメカニズムの解明(阪大院基礎工)宮坂 博
- フォトクロミック表面におけるメタル堆積コントロール(阪教大教育)辻岡 強
- 光により誘起される超撥水・超親水性表面(龍谷大理工)内田 欣吾
- 高性能フォトクロミック化合物の創製(横国大院工)横山 泰
- アバランシェ型フォトクロミック反応系の構築(京大院工)松田 建児
- 巨大構造変化を伴うフォトクロミック系の創出(筑波大院数理物質)新井 達郎
- 高速フォトクロミック分子の開発(青山学院大理工)阿部 二朗
- 2次元の分子集合に基づく光メカニカル機能発現と応用(名大院工)関 隆広
- 架橋フォトクロミック液晶高分子を用いたメカニカル機能の創出(東工大資源研)池田 富樹
- 光メカニカル機能を持つ時空間高分子材料の創成(東大院工)吉田 亮
化学の世界では実験が不可欠である。そして失敗も含め偶然の幸運に恵まれた予期せぬ実験結果が、化学技術の発展に寄与した例は多い。かように実験結果は多様であるが、実験を行おうとする動機は怪しい錬金術における欲望をはじめ、何らかの仮説とそれが正しいであろうという期待からではないだろうか。しかし、簡単な実験であればすぐにできるが、実験には経済的な制約がつきものである。昨今は環境への影響も大問題であり、実験装置導入に環境アセスメントを行っている企業もある。このように種々の制約がある実験を行う前に、その期待値をあげることができれば、効率的に研究開発を進めることができる。コンピューターシミュレーションはその一手法であり、化学の様々な分野で活用されている事例をもとに、化学におけるシミュレーションを議論してみたい。
プログラム:3月28日(日) 10:00-15:10
10:00-10:50 |
基調講演 シミュレーションで材料開発はどう変わるか
(東京大学大学院工学研究科・教授)土井正男 |
10:50-11:30 |
材料の自発的構造形成と材料設計
((株)豊田中央研究所材料分野計算物理研究室・室長)兵頭志明 |
11:30-12:10 |
材料設計―高分子材料設計(旭化成(株)基盤技術研究所)青柳岳司 |
13:00-13:40 |
次世代コンピューターの化学への応用[開発者側](理化学研究所)姫野龍太郎 |
13:40-14:20 |
シミュレーション技術の応用事例―ガラス材料の設計(旭硝子(株)中央研究所)高田 章 |
14:30-15:10 |
シミュレーション技術の応用事例―有機光学材料の設計
(法政大学情報科学部/元住友化学(株)筑波研究所)善甫康成 |
司会:倉地育夫(コニカミノルタビジネステクノロジーズ)・安東敏彦(味の素)ほか |
参加費 |
無料。講演資料代:1,000円(当日徴収) |
申込方法 |
「3/28産学交流シンポジウム出席」と標記し、氏名・所属・連絡先住所・電話番号・FAX番号・e-mailを明記のうえ、e-mail( [email protected]
)にてお申込み下さい(内容問合先:保倉光邦)。 |
申込先 |
(社)日本化学会 企画部 松原・保倉
〒101-8307 千代田区神田駿河台1-5
Tel 03-3292-6163 FAX 03-3292-6318
E-mail: [email protected] |
現在、男女共同参画社会の実現を目的として、様々な組織、また地域に男女共同参画推進委員会が設けられています。一方で、その存在や男女共同参画に関する理解は、まだ一般に広く知れ渡っていないという現実があります。今年は、男女共同参画社会基本法制定10周年にあたり、さらに日本化学会で開催されてきたシンポジウムも、第81春季年会(平成14年3月)の第1回から数えて、本第90春季年会のシンポジウムは第10回目となり1つの節目を迎えます。従って化学者を取り巻く社会や本学会の男女共同参画推進に対するこれまでの歩みを整理し、将来の発展につなげていくことはきわめて有意義です。本シンポジウムでは男女共同参画社会の実現に向けた取り組みについて、様々な観点からこれまでの活動を総括し、今後の活動に向けた提言を行います。
プログラム:3月28日(日) 13:00-終了時間未定
13:00〜 |
開会挨拶 日本化学会会長 岩澤 康裕(予定) |
13:35〜 |
趣旨説明 シンポジウム実行委員長 引地 史郎
日本化学会男女共同参画推進委員会委員長 佐々木 政子 |
13:50〜 |
基調講演 「(仮)国政での女性研究者支援について」
科学技術振興機構 塩満 典子 氏(予定) |
15:00〜 |
依頼講演
「(仮)日本化学会の取り組み」
神戸大学特別顧問 相馬 芳枝 委員
「(仮)女性研究者支援モデル育成事業の実例」
大阪大学産業科学研究所 武井 史恵 氏
「(仮)化学会を取り巻く男女共同参画の実情と将来〜アンケートの分析より」
お茶の水女子大学 森義仁 委員 |
16:50〜 |
総合討論 |
17:10〜 |
閉会挨拶 日本化学会男女共同参画推進委員会担当理事 下井 守,小島 秀子 |
参加費 |
無料 |
申込方法 |
事前申込不要。当日会場にて受付 |
申込先/問合せ先 |
(社)日本化学会 総務部 佐藤
〒101-8307 千代田区神田駿河台1-5
電話 03-3292-6161 FAX 03-3292-6318 |
その他 |
懇親会(無料;事前申込み不要) 18:00-19:30 |
化学遺産委員会では主に現在、@化学・化学技術史に関する資料等の調査・収集・整理・保管とそれら情報のデータベース化と公開。A化学研究及び化学技術面で大きな功績を残された高名な化学関係諸先達にインタビューを行い、それを映像と音声及び冊子体で後世に残す事業[化学語り部:オーラルヒストリー事業]。B会員及び一般市民を対象とする化学・化学技術史に関する普及・啓発事業の実施[市民公開講座・化学史料展示会の春季年会での開催]を行っていますが、本年度より新たに、C化学関連の学術遺産あるいは化学技術遺産の中で、特に歴史的に高い価値を有する貴重な史料を認定する『化学遺産認定制度』を実行に移すことにし、化学遺産認定候補として相応しいと判断されるもの数件の調査・検証作業を行ってきました。今回の市民公開講座では、本年度認定候補として調査・検証を行ったそれら候補内容についてもご紹介いたします。奮ってご参加くださるようご案内いたします。
プログラム:3月28日(日) 13:00-16:30
開会挨拶・紹介(13:00 〜 13:10)
『日本化学会化学遺産委員会事業のいま,これから』
(日本化学会化学遺産委員会委員長/京都大学名誉教授・岡山理科大学教授)植村 榮
講 演
1.『喜多源逸:京都大学に工業化学の伝統をつくった男』(13:10 〜 13:50)
(化学史学会会長/日本大学生物資源科学部教授)古川 安氏
2.『日本の化学の開拓者:宇田川榕庵,高峰譲吉,池田菊苗』(13:50 〜 14:30)
(日本化学会化学遺産委員会委員/大阪大学名誉教授) 芝 哲夫氏
3.『化学遺産:ルブラン法炭酸ソーダ製造装置塩酸吸収搭』 (14:30 〜 15:00)
(日産化学工業(株)) ※講演者未定
―休憩―
4.『化学遺産:我が国におけるビスコース法レーヨン工業の発祥』(15:20 〜 15:50)
(日本化学会化学遺産委員会委員/日本化学会フェロー) 田島慶三氏
5.『化学遺産:カザレー式アンモニア合成装置』(15:50 〜 16:20)
(旭化成(株)) ※講演者未定
閉会挨拶(16:20 〜 16:25) |
国立大学等が法人化してから6年が経過し、大学や高専の安全衛生管理体制も法人化前に比べて大きく様変わりした。研究室レベルにおいても、実験設備の定期点検、産業医巡視や自主職場点検、安全講習の受講義務など、労働安全衛生法に基づく安全管理が浸透しつつあるが、その一方で、研究の多様化・高度化に対応した実験施設のあり方や、大学間での取り組み状況の差違など、実験研究現場の環境安全について、検討すべき課題はまだ多く残されている。本シンポジウムでは、大学や高専の化学実験室の現状について具体例をご紹介いただき、そこから浮かび上がってくる実験施設や安全管理の問題点を抽出し、課題解決に向けた方策を考える。
プログラム:3月28日(日) 13:30-17:00
13:30-13:45 |
開会挨拶(環境・安全推進委員会 委員長)山辺正顕 |
13:45-14:15 |
大学における化学系実験の安全向上:設備,管理,教育
(九州大学先導物質化学研究所)友岡克彦 |
14:15-14:45 |
大学の実験現場における安全管理と安全教育―ここはウィーンか小田原か―
(大阪大学安全衛生管理部)富田賢吾 |
14:55-15:25 |
富山高専の環境安全に対する取り組みと悩み(富山工業高等専門学校)伊藤通子 |
15:25-15:55 |
安全衛生に配慮した大学実験施設の整備
(文部科学省大臣官房文教施設企画部)斉藤福栄 |
16:00-17:00 |
パネルディスカッション(総合司会:事業小委員会 委員長)大島義人 |
参加費 |
無料。講演資料代:1,000円(当日徴収)。 |
申込方法 |
「3/28環境・安全シンポジウム出席」と標記し、氏名・所属・連絡先住所・電話番号・FAX番号・e-mailを明記のうえ、e-mail( [email protected] )にてお申込みください(内容問合先:保倉光邦)。なお、当日は13時から受付を行います。 |
問合先 |
(社)日本化学会 企画部 松原・保倉
〒101-8307 千代田区神田駿河台1-5
電話 03-3292-6163 FAX 03-3292-6318
E-mail:[email protected] |
その他 |
第4回環境・安全問題見学会
(環境・安全シンポジウム併催行事)
本委員会では,環境・安全問題を考える機会を会員各位と共有するため,環境・安全への取り組みに優れた施設・設備,先進的な活動を行っている機関・事務所を訪問する自己啓発型の見学会を開催いたしております。
今回は,「環境・安全シンポジウム」の翌日である平成22年3 月29 日(月)午後,大手化学会社の工場・研究所(大阪市内)への見学を予定しています。詳細は下記HP
にてご確認の上,標記シンポジウムとあわせてご参加下さいますようお願いいたします(本誌2 月号でも詳細をご案内します)。
環境安全HP http://www.chemistry.or.jp/es/index.html |
主催:博士セミナー実行委員会
科学技術で生き残りを図る日本において、科学技術を推進する原動力、イノベーションの担い手として、学においても産においても高度な知識と研究開発力を持った博士人材が非常に期待されています。一方で、博士課程在学生に企業・社会を実際に学ぶ機会が少なく、産に目を向ける場面が少ないのが実情です。日本化学会では、2007年度より、化学系学生を対象に「博士セミナー」を東京、大阪等で開催し、また、第88春季年会からは、年会会場において、受講対象者を博士課程学生のみならず、修士課程学生、ポスドクの方まで幅広く広げて、「年会博士セミナー」を実施、好評を得ております。第90春季年会におきましても、全国から学生が多く集まる春季年会において、産業界をもっと知ってもらう「年会博士セミナー」を開催致します。
プログラム:3月28日(日) 13:00-17:30
13:00-13:30 |
博士研究者の疑問・質問と企業の実態(仮)
(博士セミナー実行副委員長,住化技術情報センター)山近洋 |
13:40-14:40 |
研究開発事例「ピレスロイド系殺虫剤の発展と化学―企業の探索研究で
成功するために―」(住友化学(株)シニアリサーチスペシャリスト)松尾憲忠 |
14:50-17:20 |
博士卒企業若手研究者による研究開発事例紹介とパネル討論
パネリスト:齋藤明良(花王)、福井祥文(カネカ)、國本和彦(チバ・ジャパン)
司会:博士セミナー実行委員 |
17:20-17:30 |
総括 長瀬 公一(博士セミナー実行委員会副委員長、東レ) |
受講対象者:博士課程進学希望の修士課程在籍者,博士課程在籍者,及びポスドク研究者,
博士セミナーに関心のある産学官の皆様 |
参加費 |
無料 |
申込方法 |
当日会場にて申込み可能ですが、@氏名、A所属・役職、B連絡先(〒、住所、電話番号、FAX番号、e-mail)を明記し、事前に下記宛てお申込み下さい。 |
申込先 |
(社)日本化学会 企画部 松原
電話 03-3292-6163 FAX 03-3292-6318
E-mail: [email protected] |
問合せ先 |
(社)日本化学会 企画部 百武
電話 03-3292-6163 FAX 03-3292-6318
E-mail: [email protected] |
共催:日本学術会議第三部化学委員会・日本化学会将来構想委員会・高分子学会
日本学術会議第三部(理学・工学)及び化学委員会では、学術研究の方向等を長期的視野で検討し、日本の学術研究の方向・展望を「日本の展望―理学・工学の提言2010」および「日本の展望―化学からの提言2010」としてとりまとめた。化学委員会の各専門分野委員会の展望・提言を日本化学会会員に紹介し議論を行う。その骨子を第4期科学技術基本計画(戦略)への反映に努める。
プログラム:3月28日(日) 13:00-17:30
13:00-13:05 |
開会の辞(趣旨説明) 岩澤康裕 |
13:05-13:20 |
日本学術会議第三部(理学・工学)部長 岩澤康裕
「日本の展望―理学・工学からの第4期科学技術基本計画(戦略)への提言」 |
13:20-13:35 |
日本学術会議第三部化学委員会委員長 藤嶋 昭
「日本の展望―化学からの提言2010」 |
13:35-14:00 |
化学委員会物理化学・生物物理化学分科会委員長 北川禎三
「物理化学・生物物理化学からの提言2010」 |
14:00-14:25 |
化学委員会無機化学分科会委員長 田中晃二
「無機化学からの提言2010」 |
14:25-14:50 |
化学委員会有機化学分科会委員長 山本嘉則
「有機化学からの提言2010」 |
14:50-15:15 |
化学委員会高分子化学分科会委員長 岡本佳男
「高分子化学からの提言2010」 |
15:20-15:45 |
化学委員会分析化学分科会委員長 澤田嗣郎
「分析化学からの提言2010」 |
15:45-16:10 |
化学委員会材料化学分科会委員長 橋本和仁
「材料化学からの提言2010」 |
16:10-16:35 |
化学委員会結晶学分科会委員長 菅原 正
「結晶学からの提言2010」 |
16:35-17:00 |
化学委員会生体関連化学分科会委員長 青山安宏
「生体関連化学からの提言2010」 |
17:00-17:25 |
化学委員会化学工学・触媒工学分科会委員長 架谷昌信
「化学工学・触媒工学からの提言2010」 |
17:25-17:30 |
閉会の辞 藤嶋 昭 |
参加費 |
無料。 |
申込方法 |
事前申込不要。直接会場へお越し下さい。 |
問合先 |
岩澤康裕(電通大)
電話 042-443-5921
E-mail: [email protected] |
太陽光エネルギーなど自然再生エネルギーの本格的な利用が喫緊の課題となっている。科学技術振興機構さきがけ「光エネルギーと物質変換」領域では,太陽光の有効利用の中で最も本質的な課題の一つである「光エネルギー/化学エネルギー変換(人工光合成)」に真正面から取り組んでいる。本国際シンポジウムでは「人工光合成」の研究最前線について日本化学会の春季年会において,日本化学会と科学技術振興機構が共催して世界の当領域の最先端研究者を招聘し,さきがけ研究領域の現状と将来展望について議論する。人工光合成領域とさきがけ領域の重要性を若手研究者に情報発信し,次代の研究者とともに課題の鮮明化と相互の科学的刺激により当領域の一層の研究推進に資する。
プログラム:3月28日(日) 09:45-17:55
09:45-09:50 |
Opening Remark (Tokyo Metropolitan Univ.) Prof. Haruo Inoue |
09:50-10:00 |
Welcome Message(JST) |
10:00-10:35 |
Photochemical oxygenation through two-electron conversion with water as
electron donor and oxygen atom donor: Toward artificial photosynthesis
(Tokyo Metropolitan Univ.) Prof. Haruo Inoue |
10:35-11:10 |
Charge accumulation in molecular arrays(Newcastle Univ., UK)Prof. Anthony
Harriman |
11:10-11:45 |
Development of highly efficient photocatalysts for CO2 reduction(Tokyo Institute of Tech.) Prof. Osamu Ishitani |
11:45-12:00 |
Introduction to JST“ PRESTO” Projects |
12:00-13:00 |
Poster Session
- Visualizing molecular structures in the course of lightenergy conversion
processes by means of time-resolved X-ray structural analysis(High Energy
Accelerator Research Organization) Shinichi Adachi
- Development of highly effcient water splitting system using highly functional
organic dyes(Hokkaido Univ.)Ryu Abe
- Development of large photofunctional p-conjugated systems (Kyoto Univ.)
Naoki Aratani
- Computational analysis of photoinduced electron transfer reactions in proteins(Kyoto
Univ.)Hiroshi Ishikita
- Carbon dioxide multi-electron reduction catalysts constructed based on
peptide origami(Kitasato Univ.) Hitoshi Ishida
- Development of optical functional materials with hierarchical nano system(Kyusyu
Univ.)Shintaro Ida
- Protein Engineering for creation of algae with high formate productivity(Shinshu
Univ.)Masaki Ihara
- Development of visible-light-driven catalytic transformation system of
organic molecules(Tokyo Institute of Tech.)Akiko Inagaki
- Studies on biosynthesis of the active-site iron-complex from [Fe]-hydrogenase(Max-Planck-Institute
for Terrestrial Microbiology)Seigo Shima
- Organization and functional analysis of supramolecular assembly of photosynthetic
membrane proteins(Nagoya Institute of Tech.)Takehisa Dewa
- Efficient photoreduction of carbon dioxide catalyzed by an iron complex
bearing a phosphaalkene ligand(Kyoto Univ.)Yumiko Nakajima
- Development of highly-active oxygen evolving catalysts toward visible-light-induced
water splitting(Kyushu Univ.)Shigeyuki Masaoka
- Development of a nano-hybrid catalyst for photochemical water oxidation
toward a hydrogen-producing solar cell (Niigata Univ.)Masayuki Yagi
|
13:30-14:05 |
Photochemical CO2 reduction using transition metal complexes: current status and future
prospects(Brookhaven National Laboratory, USA)Dr. Etsuko Fujita |
14:05-14:40 |
Efficient molecular catalysts for visible light driven water oxidation(Royal
Institute of Tech (KTH), Sweden)Prof. Licheng Sun |
14:40-15:15 |
Design and assembly strategies Towards photofunctional materials(Univ.
of Hong Kong, Hong Kong) Prof. V. W. W. Yam |
15:15-15:25 |
Coffee Break |
15:25-16:00 |
Development of Oxynitride Photocatalysts for Overall Water Splitting(The Univ. of Tokyo)Prof. Kazunari Domen |
16:00-16:35 |
Design of molecular inorganic materials towards artificial photosynthesis(The Univ. of Tokyo) Prof. Kazuhito Hashimoto |
16:35-17:10 |
Pioneering development of next-generation organic photovoltaics(Research
Center for Advanced Science and Technology, The Univ. of Tokyo)Prof. Hiroshi
Segawa |
17:10-17:45 |
Gold nano-structure enhanced photocurrent generation system from ultraviolet
to near-infrared wavelength (Hokkaido Univ.)Prof. Hiroaki Misawa |
17:45-17:55 |
Closing remark(Tsukuba Univ.)Emeritus Prof. Katsumi Tokumaru |
参加費・講演要旨代 |
無料 |
申込方法 |
3/28 国際シンポジウム参加希望と明記し,1)氏名,2)所属・職位,3)連絡先住所(〒)・電話番号・FAX 番号,E-mailを明記し下記宛E-mail
でお申し込み下さい。当日参加も可能で
す。なお本国際シンポジウムのみ参加希望の場合には春季年会への参加登録は不要です。 |
申込先 |
科学技術振興機構さきがけ「光エネルギーと物質変換」領域事務所
電話(042)653-3415 FAX(042)653-3416
E-mail: [email protected] |
科学技術振興機構 研究者支援事業“さきがけ”説明会
3 月28 日(日)11 時45 分より上記国際シンポジウム会場で 科学技術振興機構研究者支援事業“さきがけ”の説明会を開催いたします。応募案内に関する資料をお渡しいたしますので,奮ってご参加下さい。
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