(2006.3.1掲載)
日本化学会ディビジョン |
日本化学会が動きます!
専門分野別ディビジョン制度がスタートします。
『日本化学会ディビジョン』への登録のお願い
--本会会員の方々は必ず登録手続きを行ってください--
社団法人 日 本 化 学 会
会 長 藤嶋 昭
筆頭副会長・研究交流部門長
池田 富樹
「化学と工業」「化学と教育」11月号掲載の会告でもお知らせいたしましたが、本会では去る10月12日開催の理事会において、平成18年度を目途に新たに『日本化学会ディビジョン』制度(以下ディビジョン)を発足させることを承認・決定いたしました。
会員の方々には、下記内容をご覧いただき、ディビジョンへの登録手続きを行っていただくことになります。本会の新しい飛躍を期した『日本化学会ディビジョン』制度に、是非ともご理解とご協力を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
●登録手続きの方法および登録事項
(1)化学関連専門分野を分類し21のディビジョンを設置します。21の専門分野と分野のキーワードは5年ごとに見直しをする予定です。ディビジョンの登録分野は下記をご参照下さい。
(2)本会の個人会員(正会員、教育会員、学生会員、名誉会員)の方々は全員、希望するディビジョンに3つまで登録可能です。登録料は当面は無料です。
(3) ディビジョン登録のご案内は会員の皆様に郵送にてお送りしております。ご案内が届いていない会員の方は、お手数ですが事務局宛にご連絡下さい。
(4)ディビジョンの登録はお早めにお済ませ下さい。
(5)今回の調査にあたっては、平成17年4月より施行された「個人情報保護法」に則した会員情報の取扱をいたします。
●『ディビジョン』は何をするのか
本会会員を中心とする専門分野の組織連合体としてのディビジョンの主な内容は以下のとおりです。
(1)ディビジョンは各分野の研究の現状(研究最前線・課題)、将来予測、今後推進すべき研究課題などを『化学会レポート』(仮称)にまとめ、国の科学技術政策に提言します。単なる陳情的提案ではなく、専門家集団として「科学技術指針」の提示に結びつく政策提言を行うなど、学会が公器としての役割を担う存在として社会から期待されている機能を果たします。
(2)学会の専門領域(各ディビジョン)で「すき間のないマップ、グリッド」を作ります。これは学会の最も重要なインフラですが主要海外化学会では既に整備されています。
(3)他分野との交流、本会の運営体制(役員候補者や各受賞候補者等の推薦)のほか、春季年会の企画運営等を通じて新たな研究・情報交流活動の展開等を担います。
(4)各ディビジョンに登録された会員の方々には、各ディビジョンの責任者(平成18年2月理事会で最終決定の予定)より、e-mail等により最新の関連情報をきめ細かくタイムリーに提供します。
(5)各ディビジョンに専用のホームページを開設し、当該ディビジョンに登録された会員の方々は必要情報が閲覧できるようになります。
●『ディビジョン』をなぜ設けるのか
ご承知のように、本会の事業は7支部(北海道・東北・関東・東海・近畿・中国四国・九州)による地区単位の活動と理事会傘下の各委員会の活動をベースとして推進されています。また、専門分野の活動としては5部会(コロイド界面化学・生体機能関連化学・バイオテクノロジー・有機結晶・情報化学)と15の研究会が設置され、研究者の交流と関連情報の提供活動が行われています。
しかし近年、科学技術の急激な発展は各専門分野において研究の細分化を招くとともに、異なる分野間の横断的研究や境界領域の研究を一層促進しております。一方、本会を取り巻く環境は、欧米やアジア地域の化学会をはじめ学術誌を発行する欧米の商業出版社等との交流など、国際的視野に立った事業展開を日常的に行う状況が増しているばかりでなく、社会に対する専門家集団としての役割がこれまで以上に強まっています。本会としてはこうした変化・要請に柔軟性をもち、機敏に戦略的に対応してゆく必要がありますが、現行の支部や本部の委員会事業だけでは組織的な対応が困難になりつつあります。
日本化学会が支部を中心とする活動に加え、研究交流・情報交換の活性化の場である専門分野・部会活動を会の新たな基軸に据え、真に「創造と交流の機能」を持つためには、それぞれの学問分野あるいは他(多)分野組織との連携が可能な化学関連分野全体を網羅する有機的な組織を早急に確立する必要があります。ディビジョンによる上記活動により本会の求心力は飛躍的に高まることが期待され、制度発足の意義は極めて大きいと言えます。
●ディビジョン登録に関する問合せ先・ご意見提出先
ディビジョンの登録手続き等に関してご不明の点がありましたら下記あてご連絡ください。また、本制度についてご意見ございましたら e-mailにてお寄せをいただければ幸いです。
101-8307 東京都千代田区神田駿河台1-5 (社)日本化学会事務局企画部
(電話:東京(03)3292-6163、FAX:東京(03)3292-6318、e-mail:[email protected])
★日本化学会“ディビジョン”登録専門分野とキーワード
1.物理化学
分子構造/分子分光/レーザー化学/化学反応速度論/反応動力学/励起分子素過程/超高速化学/強光子場化学/電子・エネルギー移動/表面・界面/気体/純液体/液晶/固体(半導体・金属・超伝導体・磁性体)/溶液 相平衝/クラスター/強相関物性/等の物性物理化学
2.光化学
分子光化学/気相光化学/固体光化学/界面光化学/有機光化学/生物光化学/人工光合成/光電気化学/光触媒/太陽電池/光反応材料/光応答材料/光情報科学技術/フォトニクス/反応性中間体/微少量物質生産/高次元異方性制御/時間軸制御/不斉制御/ナノ・マイクロ反応場光化学/超分子系光化学
3.理論化学・情報化学・計算化学
計算理論/電子状態理論/分子軌道計算/密度汎関数計算/第一原理計算/分子構造/化学反応/反応動力学/分子動力学/分子力学/分子間相互作用/化学情報/データベース/分子設計/反応設計/材料設計/ケモメトリックス/構造活性相関/グラフィックス/コンピュータネットワーク/化学数学/分子生命科学/バイオインフォマティクス/マテリアルインフォマティクス/創薬化学/自動合成経路予測/遺伝情報/宇宙化学/研究動向予測
4.無機化学
無機合成化学/機能性無機材料/無機金属化学/金属酵素化学/理論無機化学/無機光化学/無機超分子化学/有機・無機ハイブリッド/無機包接化合物/ヘテロポリ酸/固相固体合成/複合化/ソフト化学/ナノマテリアル/構造解析/電磁気特性/熱・機械・構造物性/フォトニクス/イオニクス/コンビナトリアル手法/生物無機化学
5.錯体化学・有機金属化学
有機金属錯体/無機金属錯体/多核(クラスター)錯体/生物無機化学/錯体触媒/集積型金属錯体/ナノ金属錯体/多孔性金属錯体/配位高分子/磁性 ・電導性 ・光物性/自己集積反応/選択的合成/触媒/典型金属/遷移金属/ランタニド/アクチニド
6.有機化学
構造有機化学/物性有機化学/反応性中間体/反応活性種/反応機構/光反応/酸化・還元/官能基変換/炭素-炭素結合生成/有機金属化学/不斉合成/全合成/機能分子合成/生理活性物質合成/物質変換/材料開発/プロセス化学/グリーンケミストリー/有機典型元素化学/有機遷移元素化学/生体関連有機化合物/超分子系化学/分子認識
7.天然物化学・生命科学
天然物有機化学/生物有機科学/生物分子科学/天然有機化合物・探索と構造/生物活性物質/生理活性物質/生物活性物質と生理活性物質・化学合成/天然有機化合物・全合成/有機合成化学/機能分子設計・合成/創薬化学/ケミカルバイオロジー/バイオテクノロジー/構造活性相関/糖質化学/タンパク質工学/遺伝子工学/受容体化学/酵素化学/生合成/構造生物学/化学生態学/核酸化学/コンビナトリアル化学
8.生体機能関連化学・バイオテクノロジー
生物有機化学/生物無機化学/分子認識・分子集積/ホスト・ゲスト化学/生体機能分子・酵素機能分子/天然物化学/糖鎖化学・糖鎖工学/遺伝子化学・遺伝子工学/ タンパク質化学・タンパク質工学/バイオセンシング・バイオ素子・バイオデバイス・バイオチップ/ゲノム科学・バイオインフォマティクス/バイオエレクトロニクス /微生物化学/構造生物学/生物分子工学・細胞工学/ナノバイオテクノロジー/ケミカルバイオロジー
9.医農薬化学
創薬/薬理活性/ドラッグデリバリー/代謝/構造生物/毒性/天然薬理活性物質/ゲノム/製剤/構造活性相関/生理活性物質/天然物化学/微生物化学/機能性食品/食品化学/分析化学/環境科学/植物成長制御/動物細胞工学/糖鎖工学/遺伝子工学/タンパク質工学/医農薬合成化学/臨床薬化学/プロセス化学/コンビナトリアル化学/ハイスループットスクリ−ニング手法
10.分析化学
原子・分子スペクトル分析/レーザー分光分析(フォトサーマル,蛍光,時間分解, 顕微分光など)/X線分析/センサー/電気化学分析/質量分析/フローインジェクション分析/クロ マトグラフィー・分離科学/電気泳動分析/マイクロ・ナノ分析(マイクロチップ・ウェル,超微粒子,単一分子検出など)/分離・抽出・分析試薬の設計/プローブ顕微鏡/界面分析/標準試料・標準化/ケモメトリックス,データ解析法/環境・地球化学関連分析/臨床・医療・法医学分析/バイオ分析(核酸,遺伝子,タンパク質,細胞,イメージングなど)/食品・医薬品 分析/材料分析・材料解析(表面分析を含む)
11.電気化学
電池・燃料電池・エネルギー関連/有機・生物電気化学/機能材料・ナノ粒子・ナノ構造材料・電子デバイス/機能表面・界面形成・計測/センサー/光電気化学・光触媒・電解発光/工業電解・めっき・工業電気化学・電極材料/電気化学反応・電気化学計測・表面電気化学・ナノ電気化学/腐食・表面処理/電解質・溶融塩・その他電気化学一般
12.触媒化学
触媒反応/触媒(調製、構造、物性)/表面・吸着/反応機構/光触媒/有機合成/バイオ/理論・計算/環境・資源・エネルギー/プロセス/その他(触媒関連)/不均一系触媒/均一系触媒/ハイブリッド触媒/膜触媒/酵素触媒
13.高分子
高分子化学(高分子合成・高分子反応、特殊構造ポリマ−、重合プロセス等)/高分子構造・高分子物理(分子特性解析、固体、溶液・溶融・レオロジー、液晶、ゲル、表面・界面・薄膜、分析等)/高分子機能(光、電気・電子・磁性、分離・認識・触媒、耐熱・高強度・高弾性、液晶、ゲル、表面・薄膜等)/生体高分子および生体関連高分子(生物工学・ライフサイエンスを含む)/環境と高分子(環境調和高分子材料・プロセス、リサイクル等)/高分子工業・工学(構造材料、生活製品、改質、成型加工、マルチメディア関連等)/ビルドアップ型ナノ構造高分子
14.ナノテク・材料化学
有機・高分子、無機、複合材料(合成・調製・構造・物性)/機能材料(生体機能・光機能・電気、電子機能 ・磁性機能・熱機能・エネルギー・分離・その他)/ボトムアップメソドロジー/集積化/メゾスコピック領域科学技術/超微細加工/マイクロ流路科学技術/エレクトロニクス/フォトニクス/デバイス/表示材料/カーボンナノ材料/ナノチューブ/化合物半導体/磁性半導体/ナノ細孔/ナノ構造材料/ナノ層状化合物/ハイブリッド材料/エコマテリアル/生体内送達材料
15.コロイド・界面化学
微粒子分散系(ナノ粒子,高分子コロイド,機能性コロイド,生体コロイド,微粒子集積系,有機・無機ハイブリッド,界面電気現象,レオロジー等)/界面活性剤系(乳化,可溶化,ミセル,(マイクロ)エマルション,分散,泡等)/分子集合系(超分子・高次分子集合体,ゲル,液晶等)/組織化膜系(Langmuir膜・LB膜,Gibbs膜,自己組織化膜,交互吸着膜,二分子膜,ベシクル・リポソーム等)/表面・界面(界面現象シミュレーション,機能化界面,吸着,触媒,界面反応,濡れ,表面力,トライボロジー,プローブ顕微鏡,表面解析法等)/生体界面・生体模倣材料/ナノサイエンス(ナノ現象,ナノ細孔体,ナノチューブ,ナノ構造形成,メゾスコピック構造等)/応用界面化学(燃料電池・EL膜・化粧品・医薬品・食品・塗料・インキ・接着剤,土壌等)
16.有機結晶
有機化合物(生態関連を含む)/結晶(固体、界面、分子集合体、複合体を含む)〔構造・物性・機能・反応・応用・その他(結晶成長・制御など)〕
17.資源・エネルギー・地球化学・核化学・放射化学
資源化学/石炭・石油化学/エネルギー変換・貯蔵/省エネルギー/太陽電池/光触媒/光電気化学/核エネルギー/宇宙化学/RI利用化学/人工元素/核反応・核壊変
18.環境・安全化学・グリーンケミストリー・サステイナブルテクノロジー
環境化学/環境調和化学技術/資源循環/ゼロエミッション/アトムエコノミー/エコロジーファクター/CO2削減/化学物質総合安全管理/社会啓発/サイエンスコミュニケーション/リスクコミュニケーション/ 化学安全(物質安全、反応安全、プロセス安全、リスク等)/防災/安全衛生教育・管理
19.化学教育
初等中等教育/高等教育/生涯教育/科学技術人材育成/教育工学/化学史/科学技術史/化学普及
20.化学経済・経営・研究管理・MOT
製造/研究開発/企画管理/研究情報管理/技術経営・MOT/知的財産・特許/企業内法務/営業/コンプライアンス/安全教育
21.生産技術・製品開発
素材開発/用途開発/プロセス開発/機能開発/評価解析/ デバイス構築
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